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篝 佐代

 

実を言うと、私以前はそれ程武田信玄に関心を持っていませんでした。 あ~そう言えば、昔NHKの大河ドラマ「武田信玄」っていうのが、やっていたな程度の認識でした。それに当時はそれ程ドラマ自体も、きちんと観ていませんでした。しかし、今考えるとあまり大河ドラマ「武田信玄」をしっかり観ていなかったおかげで、あらかじめ三条夫人に対する否定的な固定観念を刷り込まれずに済んで、良かったのかもしれません。

そしてその後、私は偶然、上野晴朗先生の「信玄の妻―円光院三条夫人」という本と出会いました。

 

 戦国女性で、単独の伝記なんて珍しいな。

昔の大河では、やたら信玄の側室で、南野陽子演じる、勝頼の母親らしい湖衣姫ばかりが強調されていたけれど?という感じで、読み進めました。

すると、遙か遠くの京から甲斐国に嫁いできて、夫信玄のため、甲斐国領民のために、正室として懸命に努力している女性の姿が浮かび上がってきました。

 

一般的には戦国女性って、詳しくその人柄や生活振りについて書かれている、当時の文献が残っている事が少ないので。しかし、それに比べ、その人柄や日常生活の様子などについて、比較的具体的かつ詳しく触れられている当時の史料が存在している三条夫人に、より実在感が感じられ、親しみを感じやすい気がしたのを覚えています。更にその後、私は他の武田信玄関連の本にも、手を出してみました。

  

そしたら、それらの中では三条夫人は、ことごとく否定的に書かれており、私が知った夫人の姿と、巷で一般的に伝えられている姿とのあまりのギャップに、驚きました。それから私は、「きっと本当の三条夫人は、こんな女性ではなかったに違いない!! 私は真実の三条夫人の姿を知りたい!!」との一心で、三条夫人の研究を始めました。そうして何とか、それが私の最初の、自費出版書籍「武田信玄の正室 三条夫人  篝 佐代」販売の運びになりました。

 

微々たるものかもしれませんが、現在は電子書籍の形態に切り替わっている、同内容書籍及びこのサイトが 、長い間冷遇され続けてきた三条夫人の名誉回復の一助になればと願っています。

とにかく信玄の妻というと、勝頼の母である諏訪御料人ばかりがひたすら重視され、正室の三条夫人の方は軽視され続ける風潮に、一石を投じたいと思います。

 

また、これもフィクションの中で、三条夫人の悪女描写と並んで、ことあるごとに強調されている、武田家の女性達を巡る逸話の、代表的なものとして、正室三条夫人と側室の諏訪御料人との激しい確執。

そして更にこれも頻繁に描写される、彼女の身辺近くに、いつもぴったりと侍っている、山本勘助と諏訪御料人との関係性などがありますが。

しかし、これら武田家の女性達を巡る逸話の大半は、主に小説やドラマなどを発生源としている、虚構ばかりであるということも、少しでも多くの人々に、知っていただきたいという思いも、ありますので。