以前、私が三条夫人縁の地を巡るべく、京都旅行に行った際に、私も目にした、三条家旧邸後に建てられた神社の梨木神社の鳥居北側にあった木々が、新たなマンション「イーグルコート京都御苑梨木神社」建設のために、伐採されてしまうというのは、私も前から知っていましたが、とうとう、実行されてしまったようで、やはり、残念です。本当にあちら辺一帯は、静かな感じで、そういう雰囲気がいいなと思っていたし、また、鳥居北側の木々の緑も、爽やかな感じでいいなと思っていたのですが。

 

 

実際に、この、近くの京都御苑と一体だった緑が失われ、この森伐採に、地元の住民の方々からも、惜しむ声が上がっているそうです。そして、その中には、「上京区民の誇りの木」に指定された、エノキの大木もあり、一時は伐採も検討されたものの、市の要望に応じ、何とか伐採自体は免れ、大半の枝を切断し、一の鳥居付近に、移植したそうです。

 

結局、伐採されたのは、一の鳥居から二の鳥居に至る参道両側に広がっていた森で、神社によると、約1900平方メートル(駐車場を含む)の敷地内に、ケヤキやシュロ、モミジなどの樹木が茂っていたが、四月上旬に、清和院御門近くの一の鳥居周辺を残し、後は切り払われたそうです。

 

 京都市は昨年の十月に、計画見直しを求める市議会の決議を受け、京都御苑と一体となった自然環境を残すために、地区計画を梨木神社側と協議。木々を保全する「樹林地」を、境内北側にある本殿の周囲などに設けることで合意したが、マンション予定地である境内南側の大部分は含まれなかったそうです。

元々のマンション建設の目的は、老朽化する社殿の修理費捻出のためのようですし、色々と事情があっての事なのでしょうが、あの景色が失われてしまう事は、何か淋しいですね。

たった一度、初めて外から観光に来ただけの私でさえ、そう感じるのだから、日頃あの神社を訪れたりしていた、地元の方々の淋しさは、より一層でしょうね。

しかし、考えてみれば、私がまだあの神社の森が残っている内に、あの神社の景色を見られた事は、貴重かもしれませんね。